福島県須賀川市の郊外に住む吉田イチさんは、自分で育てた繭から糸を紡いで織り上げています。
1つ1つ丹精を込めて丁寧に仕事をこなしている様子が伝わります。

機織り   福島県須賀川市田中

自分で育てた、繭から紡いだ糸で機を織る、吉田イチさん。須賀川市田中。
糸を紡いでいるところからの写真にになります。現在では、ほとんど行われていない紡ぐやり方です。春に畑で育てた桑の葉を蚕の幼虫に与えて大きく育てます。
夏には幼虫はやがて自分の口から絹糸を出して蛹になります。秋から冬にその蛹をお湯で煮て糸を引き出し、数本を紡いで絹糸をつくります。冬にこの絹糸を機織り機で布に織り上げます。蛹から機織りまで二年かかる気の遠くなるような作業です。
絹で織り上げた生地は、軽くて肌触りが非常によく保温性に優れています。今では殆ど中国からの輸入品に頼っています

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扇風機やダンボールなど物置部屋のような風景のなかでが眼鏡をかけ、機織り機で作業しています。機織り機を使って生地を織り上げていく姿をモノクロの世界に閉じ込めた写真、そして糸車を使って糸を紡いでいる様子です。当時としては超広角の大口径レンズ、キャノン28mmF2.0を使用して自然光のままで撮影しました。

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須賀川市の中でも東部の地域は、かつては桑畑が多く蚕を育てる養蚕が盛んでした。蚕から繭をとりそれを糸にするためには、熱湯で煮る必要があります。熱湯で煮込むと、糸がばらばらになることにより結果的にそれを一本一本つむぐことができます。一つの服を作るのは気の遠くなるほどの工程と時間がかかりました。

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下の写真は吉田イチが私の自宅に遊びに来たときに祖母梅宮レンと並んで撮った写真です。
真ん中の二人の写真は背景のぼけを出すために反射望遠500mmF8.0を使用しています。

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1978年10月10日 キャノンAE-1 Canon 28mmF2 1/8~1/30 Canon Reflex(反射望遠) 500mm 1:8
フィルム コダック/トライX ミクロファインASA400

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